歯周病は、国民の8割が罹患している病気です。しかも、そのうちの実際には1割が重度の歯周病に進行しており抜歯が必要な場合があります。歯周病は症状に気付きにくい病気でもあり、ご家族からの口臭を指摘されて初めて知ることも少なくありません。原因はバイオフィルムという細菌による感染です。歯周病予防には、日々の歯ブラシがとても大切ですがこれもただ磨いているだけでは予防にはなりません。まずは、今のお口の状態や病気のステージを知っていただくことから歯周病予防は始まります。歯周病は20代のうちにしっかりケアできていれば、歯周病の進行は抑えられるという研究データも出ています。歯周病は世界的な感染症と言われていますが、必ず予防できる病気なのです。
歯周治療は、残念ながら歯医者さんに通っているだけでは治りません。歯周病は、歯科医師、歯科衛生士と3人で治していく病気です。患者様との信頼関係がとても大切になります。そのために患者様には日々の歯ブラシをお願いしています。私達が歯科医院で行う事は磨けないところや苦手なところについたバイオフィルムや歯石を取り除くことです。
日々のケアを患者様がしやすいようにすることがわれわれの役目です。セルフケアは完璧にできれば治りは早いですがなかなか始めは上手にできません。苦手なところは私達がサポートしますので頼ってください。
まずは、歯周病について自分のお口の中について関心を持っていただくために歯周病についてご説明をいたします。歯周病について知ってもらうことが歯周病治療のスタートになります。最も大切なのはお家でのケアです。ケアの方法は人それぞれで使う器具も異なります。患者様一人一人にあったケアを無理なくできる方法で患者様と一緒に考えていきます。
従来の歯周病治療は、歯周ポケットの中の歯石を麻酔して超音波の機械や手で除去することが主流でした。一生懸命歯石を除去しても実は歯周病の一番の原因は歯石ではないのでなかなか歯周病が治らず治らない箇所は歯肉を開いて手術をしていました。しかし、この方法では術後にシミてしまったり根っこを傷つけてしまいます。
当院の歯周治療は、歯周治療の前に現在の歯肉の炎症の程度をポケット測定で確認します。次に、バイオフィルムを染め出します。バイオフィルム中には、歯周病細菌や虫歯菌がたくさんいます。バイオフィルムの付着している箇所や炎症の部位をめがけてエアフローのパウダーを当てていくことでバイオフィルムを除去します。当院で使用しているEMS社製のエアフローは他社のエアフローと異なりプラークと歯周ポケットの中までクリーニングが可能になりました。そのため、ポケット内の歯石は、無理に取り切る必要がなくなりました。
このシステムを導入してから歯周治療の結果に大きな差が出ています。
患者様からは、極力痛みを感じて欲しくない、歯や根っこを傷つけないようにと心がけております。
多くの患者様は『痛くなかった』や『気持ちが良かった』『ツルツルになった』などの声を多くいただいております。今まで歯周治療で辛い思いをした方には是非エアフローを受けていただきたいです。
歯周病は、重度になると歯が抜けてしまう可能性もある怖い病気です。進行を進めないためにも、日ごろのケアが重要です。